・約束
入り口に目をやると、そこに居たのは…見覚えのある顔だった。
ワンカールさせ、横で束ねた髪。
薄化粧だが目元にマスカラとポイントに艶のあるグロスが丁寧にひかれた口元。
小ぶりのピアスにネックレス。
カラーシャツの襟を少し立てて細身の身体にフィットしたパンツスタイル。
そして、ヒールのパンプス。
どこからどう見ても、立派なキャリアウーマンの春夏だった。
「小田春夏です」
春夏は挨拶を終えると、淡々と仕事内容を話し出した。
12歳だった春夏が…今、大人になって目の前に居る。
信じられない…こんな偶然。
春夏もオレに気付いているはずだ。
それなのに『はじめまして』と初対面を装った。
…それに乗っかった方がいいんだよな。
一通り、顔合わせも終わり部長さんと春夏は会議室を先に出た。
続いて重役さんと美央、美央のマネージャーが談笑しながら出て行く。
会議室にはオレと坪井さんだけが残っていた。
「…なぁ、雅也…」
「ん?」
「もしかして、ここの担当さんと面識あるのか?」
ワンカールさせ、横で束ねた髪。
薄化粧だが目元にマスカラとポイントに艶のあるグロスが丁寧にひかれた口元。
小ぶりのピアスにネックレス。
カラーシャツの襟を少し立てて細身の身体にフィットしたパンツスタイル。
そして、ヒールのパンプス。
どこからどう見ても、立派なキャリアウーマンの春夏だった。
「小田春夏です」
春夏は挨拶を終えると、淡々と仕事内容を話し出した。
12歳だった春夏が…今、大人になって目の前に居る。
信じられない…こんな偶然。
春夏もオレに気付いているはずだ。
それなのに『はじめまして』と初対面を装った。
…それに乗っかった方がいいんだよな。
一通り、顔合わせも終わり部長さんと春夏は会議室を先に出た。
続いて重役さんと美央、美央のマネージャーが談笑しながら出て行く。
会議室にはオレと坪井さんだけが残っていた。
「…なぁ、雅也…」
「ん?」
「もしかして、ここの担当さんと面識あるのか?」