・約束
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暫くして、雑誌インタビューでうちの商品CMに出演する旨を
いち早くアピールしたのは美央だった。


『大木雅也さんと共演なんです。ちょっと恥ずかしいんですけど、
 
 素敵なCMになると思いますから、楽しみにしていてくださいね』




「…思わせぶりなコメントも入ってるなぁ…」
部長が雑誌記事に目をやりながら考え込んだ。

「さわやか系じゃダメ…ってコトですかね?」
サポートしてくれているメンバーが部長に尋ねる。


「あっ、極秘交際をオープンにするきっかけ作るつもりかも!」

「あの小悪魔ならありうる…く~私の雅也をぉぉぉ」



「まぁまぁ…今日大木さんのマネージャーさんとアポあるんで
 直接確認してみます」

「よろしく」





私は午後から雅也のプロダクション事務所に向かった。
今日の打ち合わせはマネージャーの坪井さんと事務所で会う約束だ。


「…失礼いたします。坪井さんとお約束している小田と申します」

「お待ちしておりました。こちらへどうぞ…」


事務所というより教室みたい…
各階に部屋がいくつもあって、小さい子から大人までダンスのレッスンしたり
演技指導受けたりしている。

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