・約束
「…分かっています。雅也の邪魔をするつもりはありません」

「女性関係は特に…」


「はい。私も現在お付き合いしている方が居ますので。
　その方に誤解を招くような事は…」


「…そうですか。その方とご結婚の予定は？」

「イエ…そこまではまだ…」

「すいません。失礼を承知でお話しさせていただいてるのですが…
　雅也の為にも、その辺をはっきりさせておきたくて」



坪井さんは、雅也と私が再会した事を問題だと考えているんだ。

「坪井さん…雅也のコト、よろしくお願いします」

「小田さん？」

「雅也…小さい頃からあんまり心を開かない子で、仲良くなるまで
　すっごい時間がかかったんです。
　気を許せる仲間も、簡単に作らなくて…そんな雅也が坪井さんのコト
　信頼してて、信用してるって言ってたから。
　…これからも支えに、力になってやってください」

私は一気に話し、頭を下げた。



「……まいったな」
坪井さんが大きくため息を吐く。



「雅也、彼女はお前の言う通りの女性だったよ」



「…え？」
キョトンとする私の背後に雅也が立っていた。


「…だろ？」


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