・約束
「…芸能人芸能人…って、連呼すんなよな。
仕事が終われば普通の男と変わんないんだから」
「…そうかなぁ…だいぶ違うと思うけど…」
「お前、芸能人がいつでもイイ服着て、イイもん食って…なんて思ってんだろ?」
「違うの?」
「普通の27の男と変わんないよ」
…そういえば、私がチャーハン作ってる間に着替えてた雅也は
Vネックの白Тシャツにジャージ姿だ。しかも裸足…
飾りっ気のない姿は、その辺に居る男性よりダサいかも…
「まぁ、今の姿を世の女性たちはイメージしないよね」
クスクス笑う私を見て、雅也は真剣な表情になる。
「春夏に…ずっと会いたかったんだ」
「…雅也?」
「今の事務所にスカウトされてから、毎日が目まぐるしく過ぎて行って…
いつ芽が出るか、花咲くか分からない事だから…春夏にも話せなくて。
厳しいトコだから、だんだん連絡も出来なくなっちゃって…さ」
「…それでも、いつか会うんだって頑張ってた。
春夏と…約束…したし。」