・約束
タクシーを飛ばして雅也のマンションに着いた。
エレベーターに乗り、廊下を進むと雅也の部屋の前。


部屋のカギを取り出す。
「・・・開けて、イイんだよね…」


『カチャッ』

「…おジャマ…します」

そっと玄関で靴を脱ぎ、リビングへ向かう。


ダイニングテーブルには飲みかけのグラスがひとつ。

「…まだ、寝てるのかな…」

足音を立てずに、ベッドルームへ入る。
ダブルベッドの真ん中で、雅也は眠っていた。
ベッドの脇に腰かけ、寝顔を眺め…

「ふふっ。起こすのかわいそうね…」

額にかかる髪を指でなぞると、雅也はパチッと目を開けた。



「…起きてたの?」


「ん…さっき…」

そう言って、私をベッドの中へ引き込んだ。



「雅也…私、部長と別れたよ」

「…うん…」


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