・約束
雅也と仕事をする…
思いもしなかった再会なんだよね…
雅也は私を覚えているだろうか
最初に会ったら、何て言えばイイ?
…そんなことばかり考えてしまい、それ以降の会議は少々上の空で。
いつの間にか会議が終了していた事にも気付かなかった。
会議室に一人残り、ホワイトボードに書き込まれた企画内容などを
まとめていた。
「…お前も‘大木雅也’のファンか?」
会議室に戻って来た部長に、痛いトコをつかれた…
「え?」
部長は私の腰に手を回して引き寄せる。
「…ちょっと、誰かに見られたら…」
「今回の担当、えこひいきしたとか言われるかな?」
部長は会議室のドアを閉め、唇を重ねてきた。
「…んっ」
私は現在、この部長と付き合っている。
肩書は「部長」だけど、まだ35歳の独身。
なかなかの手腕の為、あっという間に「部長」に昇進した人だ。
入社当時から、お世話になって色々と教育してもらった。
それも縁で、一年程前から付き合っている。