【完】『道頓堀ディテクティブ』
何日か過ぎた頃、
「ミナミのシャーロックに会いたい」
というみなみの希望で、拘置されている本町署の進藤のはからいで面会することとなった。
「よもや再び来るとは」
苦笑いしながら、まりあと本町署までやって来ると、
「また来たの!」
すっかり元気になっていた花島茉莉江が嫌な顔をした。
これには、
「花島さん、あなたはありがとうが言えないんですか?」
久保谷さんとまりあちゃんが策を授けてくれたから、花島さんたちは助かったんですよ…というようなことを、進藤は強い口調で言った。
「そういう恩義の分からない人は、大阪府警に必要ありませんから、今すぐ退職してください」
進藤はそういうと、穆とまりあを促し廊下を進んでいった。
「進藤くん…」
見た目の穏やかさとは裏腹に、硬骨漢な面があるらしい。