【完】『道頓堀ディテクティブ』
七年が、過ぎた。
以下、穆のあずかり知らない範囲での出来事であるが、一応ふれておく。
模範囚として仮出所が認可された貴島みなみは、服役先の広島刑務所を出ると、その足で鷹岡まなみからの葉書に書かれた湯の川温泉に向かった。
その後の鷹岡まなみは、湯の川温泉の老舗の旅館の跡取りに見初められて結婚して、若女将におさまっていたのである。
函館の飛行場にみなみが降り立つと、
「久しぶり──」
結婚して姓も工藤に変わっていた鷹岡まなみと、貴島みなみは再会を果たした。
こうして。
まなみの嫁ぎ先のホテルの仲居として、貴島みなみは新たな一歩を踏み出した…というのが、かいつまんだいきさつである。
穆が不在の事務所でまりあはこの知らせを受け取ったのだが、
「穆さんが聞いたら、どう思うのかな」
と、小さな独り言をポツリと呟くと、雨の上がったミナミの街に、いつものゴスロリ姿で出掛けてゆくのであった。
【完】
以下、穆のあずかり知らない範囲での出来事であるが、一応ふれておく。
模範囚として仮出所が認可された貴島みなみは、服役先の広島刑務所を出ると、その足で鷹岡まなみからの葉書に書かれた湯の川温泉に向かった。
その後の鷹岡まなみは、湯の川温泉の老舗の旅館の跡取りに見初められて結婚して、若女将におさまっていたのである。
函館の飛行場にみなみが降り立つと、
「久しぶり──」
結婚して姓も工藤に変わっていた鷹岡まなみと、貴島みなみは再会を果たした。
こうして。
まなみの嫁ぎ先のホテルの仲居として、貴島みなみは新たな一歩を踏み出した…というのが、かいつまんだいきさつである。
穆が不在の事務所でまりあはこの知らせを受け取ったのだが、
「穆さんが聞いたら、どう思うのかな」
と、小さな独り言をポツリと呟くと、雨の上がったミナミの街に、いつものゴスロリ姿で出掛けてゆくのであった。
【完】