† of Thousand~千の定義
着地と同時に剣を左へ私、右手を前へ突き出す。
抱くイメージは、手腕を筒と見立てた、大砲。
「撃て!」
と、言霊を乗せる必要はないが、そのほうが気合いが入る。
入った気合いはそのまま、紅蓮の槍として突出する。
槍は紅い濃霧を突き破り、その先、炎を吐き出す獣へ一直線に飛んだ。
しかし、獣の跳躍力は何度も見たようにすさまじい。
槍はかわされ、その向こうにあった電信柱が、重い音とともに吹き飛んだ。
首がいたくなるほど、目を眇るほどの高さまで一気に跳躍したキマイラは、上空から炎の弾丸を撃ち出してくる。
詩人が言った。星は雨の降る穴だと。
それなら、上空のキマイラは炎を降らす壺か。
下らないことを考えながら、魔法陣へ指令を出す。
「アスファルト十トン、『塔』と定義する! 空へ伸びろ!!」
私の足元のアスファルトが、周囲から質量を絞り上げながら、空へ飛び出した。
魔獣への距離が、縮まる。
抱くイメージは、手腕を筒と見立てた、大砲。
「撃て!」
と、言霊を乗せる必要はないが、そのほうが気合いが入る。
入った気合いはそのまま、紅蓮の槍として突出する。
槍は紅い濃霧を突き破り、その先、炎を吐き出す獣へ一直線に飛んだ。
しかし、獣の跳躍力は何度も見たようにすさまじい。
槍はかわされ、その向こうにあった電信柱が、重い音とともに吹き飛んだ。
首がいたくなるほど、目を眇るほどの高さまで一気に跳躍したキマイラは、上空から炎の弾丸を撃ち出してくる。
詩人が言った。星は雨の降る穴だと。
それなら、上空のキマイラは炎を降らす壺か。
下らないことを考えながら、魔法陣へ指令を出す。
「アスファルト十トン、『塔』と定義する! 空へ伸びろ!!」
私の足元のアスファルトが、周囲から質量を絞り上げながら、空へ飛び出した。
魔獣への距離が、縮まる。