† of Thousand~千の定義
「ご覧なさい、この惨状を。道路は陥没、隆起し、焼け焦げはひどく、街灯や並木はそれはもう歪曲の極みを見せ、ガラスなどそこら中に」
「それやったの私だから言われなくても知ってるし、ご覧なさいって言われても体が動かないから無理」
「……そうですか」
一ツ橋のトーンがわずかに下がる。どうやら、喋っている最中に茶化されるのはあまり好きではないらしい。使い道は少ないだろうが、覚えておこう。
一ツ橋は説明を続けた。
「とにもかくにも、我々が現場の収拾と、君の魔法魔術を見た人間の記憶操作をしましょうとも。よろしいですかな」
「ああ……とりあえず、後始末だろう。――長沢の記憶も、消すのか……?」
「それやったの私だから言われなくても知ってるし、ご覧なさいって言われても体が動かないから無理」
「……そうですか」
一ツ橋のトーンがわずかに下がる。どうやら、喋っている最中に茶化されるのはあまり好きではないらしい。使い道は少ないだろうが、覚えておこう。
一ツ橋は説明を続けた。
「とにもかくにも、我々が現場の収拾と、君の魔法魔術を見た人間の記憶操作をしましょうとも。よろしいですかな」
「ああ……とりあえず、後始末だろう。――長沢の記憶も、消すのか……?」