† of Ｔhousand～千の定義

ごろんと、また空が鳴いた。

部屋が一瞬、不自然に、あるいは超自然的に、明るくなる。

「そろそろ、こちらの質問に答えてもらおうか」

と私は単刀直入切り出した。

茶を交わし合ってこちら、私は質問攻めにされた。

そのほとんど……いやすべてが、魔術をかじっていなければわからないことや、神話に集約された意味など、オカルトなものばかりだった。無論、すべて答えてやったが。

「まず初めに訊く。今さらだが、お前は私に危害を加えに来たんじゃないな？」

「ええ、ええ、もちろん。そうであれば、君が帰宅した瞬間、出会い頭で消し炭にしてますとも」

「……そう」

なかなか、怖いことを言ってくれる。

いや、その言葉も、私への牽制なのだろう。

草薙仁ひとりなど、一瞬にして消し炭にできるぞ、とこの男は言ったのだ。