† of Thousand~千の定義
独章
『罪』とは――

世界、あるいは人道、またはとある条約に反する行い、その心情である。

これは人間誰しもが持ち得、大きさに関係なく、いずれ償いを求められる。

ある人間が、これを抱えた。

その『罪』は、あるいは誰もが表面上のみ体験し、しかし誰もが目撃し得ない、普遍性ある特殊。

しかし、『罪』はその人間に定義され、人間もまた、『罪』の概念を解釈、己の存在定義に組み込んでいる。

これをいかにして処理するか。

そう、『罪』の抹消に用いる定義は、『裁断』である。

人間は恐らく生物史上、あるいは無駄とも言えるほど、それをよく理解している。
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