† of Thousand~千の定義
つまり、私には生きろと。生涯を『罪』の清算に当てることが、私への『裁き』だと。
問いに、炎は語り口調で返す。
「私はお前を見てきた。そのすべてから推断し、お前と契約を交わす。いきろ。そして『罪』をあがなえ。己の定義に従え。それが裁きだ」
そして伸ばされた炎の先端が、いよいよ私の意識にまとわりついた。
灼熱が、私の意識を蒸発させる。
しかし、蒸発した端から、新たな私が構築し直され、定義される。
定義してその現象は、『輪廻』――あるいは、存在の『分類確定』。
私という私が、私のまま、生まれ出でていた。
炎に包まれた先から、私の手が、足が、そして体が、頭が、構築されていく。
「我、『罪』と『裁き』の公式を糧に、契約を結ぶ。汝、契約者たる名を我に示せ」
五体満足となった私は、気付けば、炎に向かってほぼ逆さまに浮かんでいる状態だった。
右腕、手を繋いできている炎を握りしめ、答える。
私の声が、現象となる。
「どうせ、断れないんだろう?」
「名を、示せ」
炎の要求に、私は一拍、呼吸を置いた。
問いに、炎は語り口調で返す。
「私はお前を見てきた。そのすべてから推断し、お前と契約を交わす。いきろ。そして『罪』をあがなえ。己の定義に従え。それが裁きだ」
そして伸ばされた炎の先端が、いよいよ私の意識にまとわりついた。
灼熱が、私の意識を蒸発させる。
しかし、蒸発した端から、新たな私が構築し直され、定義される。
定義してその現象は、『輪廻』――あるいは、存在の『分類確定』。
私という私が、私のまま、生まれ出でていた。
炎に包まれた先から、私の手が、足が、そして体が、頭が、構築されていく。
「我、『罪』と『裁き』の公式を糧に、契約を結ぶ。汝、契約者たる名を我に示せ」
五体満足となった私は、気付けば、炎に向かってほぼ逆さまに浮かんでいる状態だった。
右腕、手を繋いできている炎を握りしめ、答える。
私の声が、現象となる。
「どうせ、断れないんだろう?」
「名を、示せ」
炎の要求に、私は一拍、呼吸を置いた。