† of Thousand~千の定義
かつて少女は、『神のバラ』という名前を持っていた。
しかし、その名前の意味はわからず、そんなものよりも大切なものができた。
そして、己に課した『定義』を証明するため、その名前を引き継ぎ、名乗ってきた。
それは、これからも、変わらない。
「……根底の存在定義、『罪』と『使命』に基づいて名乗る。――我が名は、草薙仁」
炎の輪郭が、揺れる。それは、驚きを表現したように見えた。
「よいのだな?」
その確認は、私がその『名』を自らの存在に刻印することを訊いている。
しかし、そんな確認、はなっから不要だ。
「構わない。私は草薙仁だ」
うなずいた次の瞬間、眼前の炎が一気に燃え上がった。
私の身長ほど膨れ上がった烈火の中から、男とも、女とも取れない顔立ちの人物が、現れる。
そいつは、厳しい表情で、しかし清々しく明言した。
「契約を受領した。汝、草薙仁に、我がウリエルの火を授ける」
そして私の体は、すさまじい炎の渦に巻かれ、『狭間』から飛ばされた。
しかし、その名前の意味はわからず、そんなものよりも大切なものができた。
そして、己に課した『定義』を証明するため、その名前を引き継ぎ、名乗ってきた。
それは、これからも、変わらない。
「……根底の存在定義、『罪』と『使命』に基づいて名乗る。――我が名は、草薙仁」
炎の輪郭が、揺れる。それは、驚きを表現したように見えた。
「よいのだな?」
その確認は、私がその『名』を自らの存在に刻印することを訊いている。
しかし、そんな確認、はなっから不要だ。
「構わない。私は草薙仁だ」
うなずいた次の瞬間、眼前の炎が一気に燃え上がった。
私の身長ほど膨れ上がった烈火の中から、男とも、女とも取れない顔立ちの人物が、現れる。
そいつは、厳しい表情で、しかし清々しく明言した。
「契約を受領した。汝、草薙仁に、我がウリエルの火を授ける」
そして私の体は、すさまじい炎の渦に巻かれ、『狭間』から飛ばされた。