† of Thousand~千の定義
終章
† 終章
目を開けた瞬間、視界を埋め尽くして迫っていたのは、炎の落下天井だった。
それはつまり、キマイラの炎。
周囲は、私の魔法陣が発動した時のまま。
私の世界が炎に潰される、前のもの。
違うのは、強制送還の公式と私の傷は消え、『魔術師』の定義外の力が、体の中で燃え盛っていること。
(『罪』をあがなうために、存在定義に従って、まずはキマイラを倒せってことか)
『狭間』で邂逅した声の主――裁断を下す『神の火』たる天使・ウリエルの言葉を、思い出す。
私は、存在を貫徹しなければならない。
それが、贖罪となる。
定義して、草薙仁とは『使命』という言葉の、代名詞だ。
そしてその『使命』とは、己の『罪』の発端となった、『過ち』を清算すること。
早い話が、尻拭い。
たったそれだけを実行するために、
「私は、天使と契ったわけか」
身のうちに盛る力の強大さを感じながら、立ち上がり、右腕を空へと突き上げる。
その掌に、紅蓮の光球が灯った。
目を開けた瞬間、視界を埋め尽くして迫っていたのは、炎の落下天井だった。
それはつまり、キマイラの炎。
周囲は、私の魔法陣が発動した時のまま。
私の世界が炎に潰される、前のもの。
違うのは、強制送還の公式と私の傷は消え、『魔術師』の定義外の力が、体の中で燃え盛っていること。
(『罪』をあがなうために、存在定義に従って、まずはキマイラを倒せってことか)
『狭間』で邂逅した声の主――裁断を下す『神の火』たる天使・ウリエルの言葉を、思い出す。
私は、存在を貫徹しなければならない。
それが、贖罪となる。
定義して、草薙仁とは『使命』という言葉の、代名詞だ。
そしてその『使命』とは、己の『罪』の発端となった、『過ち』を清算すること。
早い話が、尻拭い。
たったそれだけを実行するために、
「私は、天使と契ったわけか」
身のうちに盛る力の強大さを感じながら、立ち上がり、右腕を空へと突き上げる。
その掌に、紅蓮の光球が灯った。