† of Thousand~千の定義
(早期決戦でないと、私が持たない)

爆煙を大きく迂回した私と同じく、キマイラも横へ跳んでいた。

互いの姿を見止め、ほぼ同時に攻撃へ転じる。

「力押しで我に敵うと思うてか!」

ぽ、
ぽ、
ぽ、
ぽ、

と、付き従うようにキマイラの周囲、紅の蛍が浮かび上がった。

そのすべてが、撃ち出されてくる。炎の弾丸。

「今の私なら、わからないぞ!!」

身体能力へ作用している魔術の効果は、継続している。魔法陣も健在。

「百メートル内の街灯を『近衛』と定義! 我を補佐しろ!」

言霊に乗った定義に反応し、いびつな形で停止していた街灯達が息を吹き返す。

四方八方から鋼鉄の鞭が群がり、襲いくる炎弾の大半を殴った。

もっとも、おかげで街灯の頭も見事に吹っ飛んだが。
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