虹の架け橋

あの日からだいぶ日にちが経って
テストが返却されている。

もう関わっていないのに全然勉強に
集中できなくてあまり自身がない。

「…ら…中原!」

「はい!」

先生に大声で呼ばれて思い切り立ってしまい
教室が静まりかえる。

「何ボーッとしてるんだ?早くテストを取りに来なさい。」

「はい…すいません。」

「どうしちゃったんだろう。中原さんが珍しいねー。」

こそこそ話す女子。
聞こえてるよ…。

「中原〜!」

授業が終わってから先生が廊下に私を
呼び出す。

「中原どうしたんだ?家庭で何かあったのか?テストも…さっきからずっとボーッとしてるし…。」

「すいません。」

「相談ならいつでも…。」

「大丈夫です。」

相談しても解決なんかするわけない。
そんなの無駄だ。

「そうか…ズバッと言われると傷つくな〜!ってスルーするな〜!」

私は先生の話を勝手にスルーした。
席につきテストを見る。
点数は85点…。
一般的にはいい点数だとは思う。

でも私にとっては全然ダメ。
いつもは90点以上なのに…。
学年順位は15位。
いつもベスト5には入っている私にとっては
泣きたいぐらいの苦しみ。

早風くんはベスト4だって…。
なんで知ってるかというと
ベスト5に入った人は紙に張り出されてるから。
初めてだ…。
私は…何をしているんだろう。

私の心にとどめをさしたのはお母さん。
私の家は病院で私の兄は超エリート。
だから…
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