虹の架け橋
「下手くそ。」
「何よ!?」
え…私だけなの?騙されてたのは…。
京ちゃんは分かってたの?
私だけ置いていかれてる気が…。
「微妙に棒読みやし感情こもってない。」
京ちゃんがダメ出ししてる…。
「なんで素人のあんたにそんな事
言われなきゃいけないの!?」
「京の父親ドラマの監督やし…子どもの頃から演技見てるからちゃう?」
え!?
京ちゃんのお父さん監督なの!?
聞いたことない…気がする。
「監督…お父さんが監督って…
嘘でしょ!?」
「嘘ついてどうするん?」
「じゃあ今ここで演技してみなさいよ!」
え…無茶振り…お父さんが監督で
子どもの頃から見てても京ちゃんが
出来るわけじゃ…。
「は!?ここですんの!?」
京ちゃん…場所の問題なの!?
「じゃあ今から私の家でしなさい!
朝会った男の子も呼んでちょうだい!
あなたもよ!」
「え!?あ…はい!」
連嬢さんに指をさされて思わず
返事してしまった…。
「分かった。」
そう言って私たちは別れた。
すぐに陸くんと諒くんに連絡する京ちゃん。
「ねぇ…京ちゃん。演技とか…大丈夫なの?」
隣で携帯を触っている京ちゃんに
恐る恐る聞いてみる。
「大丈夫じゃない?やった事ないけど〜」
「え!?その自信はどこから出てくるの?」
笑いながら言う京ちゃん。
ほんとにその自信は
どこから出てくるのだろう。