虹の架け橋
コンコン。
「どうぞ。」
連嬢さんの部屋に案内されて
京ちゃんがノックすると連嬢さんの
声が聞こえた。
ガチャ…。
開けると広い部屋に1人で座っている
連嬢さん。
「来たけど…どうするん?」
「はい。これ。」
バサッ。
連嬢さんは近くの机の上に紙の束を
軽く投げ置いた。
「雑やなー。…台本?」
「そうよ。私の受ける予定だったオーディションの台本よ。」
私たちはパッっと目を通す。
「それを男子4人でして私に見して。」
「待って。京ちゃんこれ…大丈夫?」
「え?何が?」
「これ全部標準語…。」
普段関西弁で話してるのに…。
私の言葉にもう1度台本を見る京ちゃん。
「まぁいけるいける。」
笑顔で台本を閉じる京ちゃん。
軽いな〜そしてどこからその自信が
出てくるんだろう。
「誰がどの役決まった?」
話してる京ちゃん達に聞く連嬢さん。
「んー決まった。」
「じゃあ練習時間をあげるわ。」
「そんなんいらんわ。でも陸と諒とヒーローは
台本持っててええやろ?巻き込まれてん
やから。」
「いいわ。じゃあ早く見してちょうだい。」
え?ほんとに練習時間いらないの?
意外と長かった気がするんだけど…。
「3.2.1…はい。」