Jewel Memory*2つ年下



夏祭りと言えば。



中1の夏祭りは、

好きだった木下くんとすれ違った時、目が合って。


お互い笑ってたっけ。




中2の夏祭りは、

木下くんとすれ違った時、素通りだったのにショック受けて。




中3の夏祭りは、

寂しい連発の切なさいっぱいで。


途中で巳波の着うたにしてる曲流れて、
ヤバかった。


涙出そうになるしさ。



来年は、もっと思いっきり楽しめて

幸せな夏祭りになるといいな。



隣には、ココも巳波もいて。

それから優と未来もいて。




でも、そう上手くは進まないのが人生なんだよね。


運命なんだよね。


あたしの心に埋め込まれた宝石の記憶は‥‥


とても儚すぎた。



花びらのように散り行くのも、時間の問題。



砂時計の砂がサラサラ落ちて積もるみたいに。


あたしの中の何かも、

降り積もるカウントダウンの幕開け。




今だけは、

今だけでも、


幸せになる砂が降り積もってほしいと願いを捧げた。





.
< 110 / 267 >

この作品をシェア

pagetop