Jewel Memory*2つ年下



テンション急速ダウン。



マジ嫌だ。


もう離れないでよ。


ちゃんと近くにいてよ。



こんな、ちょっとした願いも叶わないの?




巳波が笑顔でいてくれることが、あたしは嬉しいよ。


でも、これ以上距離を開きたくない気持ちのほうが、

大きすぎるよ。



離れないって約束したよね?


その言葉を言い訳にして、心の奥で巳波を責めてた。


これじゃ、束縛してるようなもんなのに。



本当に好きだったら、もっと相手の気持ちも
考えてあげるべきなんだけどな。


好きになるほど、
自分のことで精一杯になっちゃって。


相手の気持ちを考える余裕がなくなっちゃうんだ。









この日は、寂しすぎて

なかなか眠れませんでした。



歩きっぱなしで疲れた体を、休めることもできずに。



暗い部屋のベットの中で、
傷付いた心を癒やすこともできずに。



声を殺して泣いた。





なんでだろ。


恋すると、マイナス思考しちゃう。



「離れたくないよ」




───それしか浮かんでこなくて。




あたしの頬を、涙は何度なぞったんだろうね。



せめて夢の中だけでは、幸せでありたかったよ。





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