Jewel Memory*2つ年下



それから。


その場の雰囲気に任せて、


「好きな人と離れちゃうのって嫌だよね」


なんて、次に発言したことを、

今更ながら後悔した。



何言ってんだろ、あたし。




「でも、同じ県にいるだけよくない?」


優の返してくれた言葉に、ほっとしたのも束の間。


「同じ学校にいれるだけで、いいじゃん……」



ボソッと呟くように言った巳波の声に、
一瞬ドキッとした。


「そーだよ」


トランプの最中だった未来も、巳波の意見に賛成。






でもさ、あたし………。


わがままだし、
欲張りだから。


それだけで充分だなんて、
素直に思うことができなくて。


もっと近くにいたいって気持ちだけが、

募るばっかりだったよ。





キミが、あの時言った

『同じ学校にいれるだけで』

って言葉には、


なにか特別な意味があったの?



あたしをちゃんと、

見ていてくれた?





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