Jewel Memory*2つ年下
また少ししてから巳波のほうを横目で見ると、
こっちを見ててくれて。
幸せすぎたよ。
今年の体育祭は、
少しだけどね。
巳波に近付けた気がしたの。
それが嬉しくて、幸せだった。
結果は、巳波とココのいる団が優勝。
あたしの団は、良い結果は残せなかったけど。
それでも充分だって思えた。
『優勝おめでとぉ☆』
『ありがとう』
それに、体育祭があったおかげで、巳波とメールできたし。
本当に、本当に、
楽しかった。
不思議なくらい幸せだった。
巳波と遊んだり、電話で沢山話したり。
………そーいや、
巳波の家の子機、壊れてたんだよね。
普通なら10分くらいで通話が途切れちゃうのに。
あたしが電話した時は、15分くらい続いたっけ。
『スゴいよ。
普通ならもう切れてるのに、15分も話せてる』
受話器越しの愛しい声。
「スゴいね」
『うん』
「なんか‥ー」
これも愛の力かなぁー?
言いそうになった言葉を呑み込んだ。
こんなベタなこと言ったら、ひかれるよね。
「…‥ね。
スゴいよね。
うん、スゴいよ」
本音を言いたげに動く口。
あたしは笑って誤魔化す。
『‥うん、スゴいね』
でもさ。
巳波も何か言いたそうな気がしたのは、
ただの気のせいだったのかな?
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