Jewel Memory*2つ年下





* * *



昼休み。


ココとは別に過ごした。



あたしの隣に、友香ちゃんがいたから。





「あのコってさあ。
本当に妊娠したの?」


あたしの問いに、


「って噂だよね。
相手、高校生なんでしょー」


「そーなんだぁ」



友香ちゃんは答える。


情報屋だから、友香ちゃんに聞けば大抵のことは分かるんだ。




「でもさ、妊娠したら親怒るよね」


「やっぱ、親にバレると思う?」


「えー、でも、言わなきゃバレないんじゃね?」


「まぁ、確かに……」




この時の会話は、少し大人びてたけど、

後から分かったことがあった。





『やっぱ、親にバレると思う?』



思うよ。
あたしはね。


親だったら、子供の異常くらい気付くでしょ。




「そーゆーもんだよ」


「うん」


静かに頷いた友香ちゃん。


お互いに真っ直ぐ前を向いて話してた。



あたしは鈍感なのかもしれない。


平和ボケしてるのかもしれない。


だから、知らなかった。




身近にあった真実を。





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