Jewel Memory*2つ年下



「あ……」



周りに視線をズラした時に、見つけた。


巳波の姿。





他に1年生2人がいる。


そのうちの1人は、スッゴく可愛い男の子。


もう1人は、ちょっぴり無愛想な男の子。





あたしは視線を外さなかった。


ずっと巳波を見て。


目が合った時に、笑ってほしかったから。




「みんないつ走るの?」


あたしの質問に、1年生たちは、


「もう走った」

とか

「次の3番目」

とか


答えてくれる。





だけど、キミは答えなかったんだ。



曖昧な距離を保ったままのあたしたちの間には、

見えない厚い壁で遮られてた。



予想以上に、キミはあたしから遠くて。


手を伸ばしてみても、無理だった。





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