Jewel Memory*2つ年下



光が少し減って、空が茜色に染まり始める。




そろそろ帰らなきゃなぁ。



「帰るかぁ〜」


「もう遅いしね」


「早く帰んないとお母さんに怒られる〜」


それぞれの声が、広い大地に響き交わる。




これでもかってくらい、
騒いで遊んだはずなのに、


帰りも疲れを見せない表情のみんな。



もちろん、あたしも。



楽しすぎて、疲れなんて飛んでっちゃうよ。




相変わらず、あたしの隣には優がいて。


「楽しかったね!」


「うん」


声をかければ、返事が返ってくる。


それも満面の笑みを浮かべて。






自転車をこぐ度に、
暖かな風があたしたちを包み込んだ。




こんなに笑ったのも、

こんなに楽しさを感じたのも、

思いっきり遊んだのも、

久しぶり。



この気持ちを、上手く言葉にできないけど。


あたしは今、

最高に幸せなのかも。






ずっと忘れない。


この日のこと。


あたしのキラキラ光る宝物。





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