Jewel Memory*2つ年下





『今度一緒に帰らない?』


『ごめん、それは無理』





一緒に帰るって、恋人同士がすることじゃないの?


ましてや2人きりで。



付き合ってます、って言ってるようなもんじゃん。




『もっと2人で、由紀乃と話したかったんだけどなー』


『ごめん』





家が逆方向で、学年も違くて。


だから巳波とだって、一緒に下校したことない。



なのに堀川竜と一緒に帰るなんて嫌だ。





巳波と帰りたいよ。


お互いの話いっぱいして、隣で笑っていてほしい。






何度願ったんだろ。


もし、堀川竜が巳波だったならって。



毎日メールしてくれる。


一緒に帰ろうって誘ってくれる。


いきなり電話してきたり、会いたいって言ってくれる。


何よりも、あたしの求めてる言葉をくれる。


あたしを、ちゃんと見ててくれる。





巳波とは、正反対のタイプだった。





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