Jewel Memory*2つ年下



巳波からの受信メールに書いてあったから。




“じゃあ、あきらめれば?”




ずっと心の隅で言ってほしいと願っていた言葉。



うん。

あきらめる。



巳波が、そう言ってくれたから。



あきらめる?

違うよ。


あたしの、気持ちが変わっただけ。



あたしは知らず知らずのうちに、
違う恋に進んでたんだよね。




『これから言うこと聞いても、
ずっと仲良しでいてくれる?』


念入りに巳波に聞いた。



『うん!』




あたしは決めたんだ。



覚悟。


すがりたい思いの強さに、決めた覚悟。





幸せを祈って、送信ボタンを押した。


返事は、案外早くて。



―――――

本文

うん!

―――――



そのメールを開いた時、
嬉しくて、やっと叶った気がした。





『巳波のこと、好きになってもいい?』






あたしの気持ちを、

キミはちゃんと受け止めてくれたね。


だから、きっと幸せを感じることができたんだよ。





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