Jewel Memory*2つ年下

不安の数





あたしが巳波を本気で好きになるのに、時間なんてかからなかった。




前まで躊躇いのあった

“大好き”って

セリフも、今では普通にメールで送れるようになってた。



毎日交わすメール。


区切りがよくなると、返信が来なくなっちゃうから、できる限り質問で返す。



学校では、昼休みに待ち伏せした時しか話せない。



だから、このわずかな短い文章があたしには必要だったんだ。


メールを送れば、待ってる時間は長くても、

ちゃんと返事が来るから。


それだけで何でも頑張れる気がしてた。




ただ、大好きって送っても、そのまま話を逸らされる。


それに、だんだん不安を覚えていった。




その不安は、溢れ出して。



あたしを埋め尽くす。


どうしよもなくなった時には、親友のココに頼ってる自分がいた。





5月26日

学校。


この日の体育はマット運動。


他の友達が練習をしてる時に、

あたしはココに巳波を好きになったことを打ち明けたんだっけ。





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