Jewel Memory*2つ年下
今だけは、あたしにとって幸せの時間である部活動。
前から4番目の1番窓側の席に座って絵を描くあたし。
その席が1番、校庭と美術室の近くにある外の水道が見やすい場所なんだ。
陸上部は、美術室に近いところをいつも走ってる。
巳波を見つけること。
それが、いつの間にか日課になって。
学校に来る楽しみに変わり始めてた。
巳波が水道に来た時には、目を合わせて手を振ったりして。
───数日前──
水道に来た巳波と目が合った。
隣には背の高い男の子。
って、巳波が小さいだけかもしんないけど。
この日は、
『来て』
そう言うように、巳波が手招きをしてきたんだ。
小走りして、美術室の大きな窓から外へ出たあたし。
なぁに?って問いかける前に、
「今、何時?」
巳波にそう聞かれて、教室にある時計を見た。
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