Jewel Memory*2つ年下



「由紀乃大丈夫?
怖い顔してるけど」


流れる景色を後ろに感じながら、電車に揺られる。



いつも通り、右隣に座っているココ。


「ごめん、ぼーっとしてた」



苦笑いして答えるとバックからケータイを取り出して見つめる。



受信メール0件、か。



最近、巳波とあんまりメールしてない。


話題がなくなってきたせいかもしれないけど。


やっぱり寂しい。





今日はココと買い物。


電車で少し遠いところまで♪


プリクラもいっぱい撮って、沢山お互いの話をする予定。



「1回メールしてみよっかな〜」


アドレス帳を開く。


「巳波君に?」


横からケータイを覗き込むココ。


「うん」



―――――

本文

今日はココと一緒に遊ぶんだぁ♪
今、電車乗ってる!

―――――



送信‥しよ。


マナーモードを設定していたケータイは、音を鳴らさずにメールを運んだ。


あたしの大好きな人の元へ。





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