Jewel Memory*2つ年下



巳波が……

あたしのこと嫌いになってくれれば、答えは簡単なのに。



「うーん。
でも、あきらめるなら早いほうがいいと思うよ」



「うん。



あたし、

巳波にバイバイする」





決心した、

はずだった。



それなのにね。

なんで後悔してんだろ。




「ココ〜」


小さい声で名前を呼んだ。


「由紀乃、元気出しな」


優しく言って


「ほら、駅着いちゃったよ!
早く早くっ」


笑顔を咲かせて、手を引いてくれた。




―――――

本文

ごめん。

あたし好きな人できたから、
もうメールするの止めよ。
巳波があたしのこと好きか分かんない。
それに最初から巳波のこと、好きじゃなかったし。

―――――



数分前に送信Boxにした追加されたメール。


巳波宛てに送られた言葉。


悲しい想いと一緒に、梅雨時の風に運ばれていった。




本当に、これで良かったの?





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