Jewel Memory*2つ年下
この時はただ、
純粋に恋して。
純粋に巳波が好きだった。
見るものすべてを映し返す鏡みたいに。
透き通る水みたいに……
¨純粋¨って言葉が
1番似合うあたしが
確かにいた。
映り返ったものは姿を変え、暗い闇。
澄んだ水は汚れ、行き場をなくす。
静かに流れる涙こそ、その象徴───
『夏はね、
夜空に浮かぶ星と月。
それからキラキラの花火にさ、
浴衣着て‥
大好きな人の隣を歩きたい』
それはそれは
心に咲いた
小さな願い。
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