光へ。

少し遠くから男の声が聞こえる。
「…どうぞ。」
裏場に置かれた小さな一つのベンチ。
真ん中に座ってたあたしは端による。
「女の子がこんなところで何しとん」
低い若干ハスキーの声。関西弁。
暗くて顔とかはあまり見えないけど、
スーツ着てる。
「別に。散歩ですよ。」
「そーなん?
都会の子はすることがすごいな(笑)
俺の地元にはそんな子おらんで!」
スーツってことは出張かなんか?かな
関西人っぽいし。
今は、大人の男の人といると自分的に
なんかやばい気がする…。
「家近いんで…」
「そーなんや!
あんまり出歩くなよー?」
そう言いながらのんきに笑う。
明るい人だなー。
なんて人に無関心なあたしが、
少し関心してみる。





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