あなたがいたから、幸せでした。

涙でボロボロになった私の顔に、

笑顔を張り付けて。

私は言った。

ハッキリと、聞こえるような声で。


「ありがとう。

私が待っていた言葉だよ。

でもね、もう決めたから。

だから––––––・・・。



バイバイ・・・」


本当はね、止めてほしいんだよ。

でも、そんな事は言えない。

もう、逝かなくちゃ。


私は生きてても、意味無いんだから。


クルリと、またもやフェンスの方を向いた。


< 111 / 430 >

この作品をシェア

pagetop