あなたがいたから、幸せでした。
今ならまだ––––––・・・〈side優夏〉
安西拓馬、君・・・
心地よい、テノールボイスが響く。
透き通るような声で、名乗った彼。
友達になりたい。
切実にそう思ったんだ。
けど。
ダメだよ。
私はもう、死んじゃうんだもの。
「そっ、か・・・
安西君、あの、出ていってくれないかなぁ?」
弱々しかったかもしれないけど、
私は確かに言った。
「あっ、そうだ!
今日、駅前にバーガーショップができたんだけど、
行ってみない?」
え?
私確かに言ったよ?
〝出ていって〟って。