あなたがいたから、幸せでした。
救いの魔の手〈side優夏〉〈side拓馬〉
それから、私達2人は教室に戻った。
楽しく、おしゃべりをしながら。
これがずっと続けばいい。
嬉しくて
嬉しくて
ただ、ずっとこうしていたかった。
「あ・・・
もう教室だ・・・」
私が少し名残惜しそうに言う。
楽しかったおしゃべりも、もう終わり。
やっぱりこんな事、一瞬の事でしかないんだよ。
「なーに言ってるの。
教室でも、たくさんおしゃべりしようよ。
私、富山さんが好きになっちゃったもの。」
そうやってけなげに言うから、
友達もたくさん寄ってくるんだろうな。
だけど、ダメだよ。
「教室では、やめよ?
私達が話してたら、亜美までイジメられちゃう。
そんなの私、耐えきれないよ。」