あなたがいたから、幸せでした。
「キャハハハ!!」
教室の外から聞こえてきたその声に、
みんなはまた、話し出す。
話すタイミングを、声を出すタイミングを見失っていたから、
あの声は、救いの声だった。
「みんな、これからは富山だけじゃない。
そう、これからは、藤堂亜美も!!
敵よ––––––・・・」
ハッとした。
何で亜美まで。
私と同じ運命に?
「やめてっ!
みんな、私だけでいいじゃない!
イジメるなら、私だけで!!!」
私が大きな声でしゃべったからか、
みんなが私を見た。
麻菜ちゃんは私を憎々しげに見て、
他のみんなは驚いてこちらを見ていた。
そう。
イジメられるのは私だけでいい。
これ以上彼女に辛い思いをさせたくない。
「フッ・・・
あんたバカじゃないの?
あんたのせいで藤堂は、イジメられるのよ––––––?」