あなたがいたから、幸せでした。


私は歯を食いしばった。

どうしても、どうしても悔しかったから。

こんな醜い私が、どうしても憎かったから。



血が流れ出て、濃い血の味がした。

食いしばってた歯を緩めて、傷口をなめる。


こんな傷ならいくらでもすぐに治るよ。

けど。


拓馬は、拓馬の病気はこの程度ではないと思う。


私はそんなに知識はないけど、

走れないという事は、けっこうな重症。


そんな事が分かってて、私は酷い事を言った。


後悔だけが、私の頭を駆け巡る。



後悔後を絶たず



ああ、最悪。

こんなに後悔するんだったら、

何で私はあんなことを言ったんだろう。




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