あなたがいたから、幸せでした。
そう言ってくれた亜美は、優しい顔をしていた。
「・・・っ」
何でそんなに優しいの?
一筋、また一筋と、私の涙は頬を伝う。
今なら泣いても大丈夫。
だって雨が、私の涙を隠してくれるから。
「ほら、早く。
あっちに行くわよ」
そうやって亜美は私の手を握って
私を校舎の陰に連れて行った。
「大丈夫?何かあったなら、言ってみて?
スッキリすると思うの。」
やっぱり亜美は優しいんだな、と改めて思い知る。
私は拓馬という名前を伏せて、1言また1言と話し始めた。
もちろん今日の事しか言わない。
自殺未遂とか、1番カッコ悪いもの。