あなたがいたから、幸せでした。


「あのね、今日私がある男の子に酷い事を言ってしまったの。

自分でも最低な奴、って思うくらいに。

その男の子、酷く傷付いた顔をしてて。

私は何とも言えなかったの。

その時ごめんね、って言えば良かったのに。

言えなかったんだ。ごめんね、って。

こんな私が今さら謝ったとして、彼はきっと許してくれないよ。」


もちろん病気の事も言わない。


私が話し終えると、彼女が言った。


「そんな事があったのね。

大丈夫。

きっと仲直りできるわ。」


その根拠は何なの?


拓馬はきっと、許してくれるはずがない。


「許してくれるわけないよ・・・」


本当にそう。

あんなに酷い事を言ったのに、許してくれるような人、いない。


「大丈夫よ。

むしろあなたがそんな事を言っているからダメなのよ。

信じなくちゃ、その男の子の事を。」


「信じれば、どうにかなるのかな?」


そうだとしたら、私は。





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