あなたがいたから、幸せでした。


「ええ。」



信じよう––––––・・・




やがて雨が上がり、私達は教室に戻った。

ずぶぬれだったのに、今ではみんなと同じくらいしかぬれていない。


良かった。



「あっれ~!

亜美ぃ~、どこ行ってたのぉ~?」



「あら~、隣にいるのはぁ、富山じゃな~い?」



麻菜ちゃんとラナちゃんが交互に言った。


亜美は、関係ないっ!


なのに。

すくみあがっている自分もいる。

足が震えているのが分かる。

亜美は私を助けてくれたのに


「亜美は、亜美は関係ないっ!」


私が少し大きめな声でしゃべったから、

麻菜ちゃん率いるみんなは私を驚いた目で見てきた。



もちろんこの場に先生はいない。



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