あなたがいたから、幸せでした。
もうすぐ体育祭〈side客観〉
〈side客観〉
「あれ?
富山さん、もしかして安西君が例の言ってた人?
だとしたら、仲直りできたね。
本当に良かった。」
麻菜達が去り、
ガヤガヤとしていた教室の中で、彼女だけは優夏を見ていたのだ。
彼女は・・・亜美は、優夏を〝見ていた〟というよりも、
〝見張っていた〟という方がいいのかもしれない。
でも、優夏は全く気にしていなかった。
見張っていた事も分からぬほど、
嬉しかったのだから。
「うんっ、仲直りできたよ!
亜美のおかげかもっ」
そう言い張った優夏は、なかなかのものだろう。
亜美は、自分の気持ちが誰にも悟られないよう
ニッコリと温かで屈託のある笑顔を取り繕った。
こんな事、簡単。
そう思っているのに、なぜかふに落ちない亜美。