あなたがいたから、幸せでした。
一方優夏は、何も知らないがゆえに
亜美にあどけない笑顔を見せる。
––––––拓馬,亜美と友達になれて良かった。
私はずっと1人になるところだったもの。
拓馬とのけんかの時だって、
私は耐えられなかった。
そんな時、亜美がいてくれたから。
私は1人にならずにすんだ。
だから、亜美は最高の友達なんだよ。
それは拓馬も一緒で。
ああ、私は1人じゃないんだな、って思えるよ。––––––
優夏の心からのそんな思いも、
亜美は拒絶したい気持ちでいっぱいになる。
––––––あいつが、私の事を嫌いで、
それこそ大っ嫌いでいてくれたら、
こんなに心を揺るがす事はなかったはずなのに。
嫌いになってよ。
私は、私はもう、嫌いになれないよ。
好きじゃないって言い聞かせても、私は。
私にはどうする事もできないのよっ!––––––
亜美の辛さは、亜美にしか分からない。
その思いは、亜美の胸の内に秘めてあるモノだから。
〈sideEND客観〉