あなたがいたから、幸せでした。
私と明は、いつも一緒だった。
明は男の子で、いつも私を大切にしてくれてた。
私達は従兄(いとこ)同士。
だからか、結婚まで考えた仲だった。
何をするにも一緒、どこに行くにも一緒だった私達は、変わってしまったんだ。
それはただたんに、私が明じゃない男の子を好きになってしまったから。
もちろん明は大好き。
けど、この思いは従兄という関係からの大好きで。
〝恋〟なんかじゃなかったの。
『明!大好きだよっ!』
ずっと昔に言ったその言葉。
〝大好き〟じゃなくて、〝大好きだった〟んだ。
もう、明はいないから。
『う~ん、僕もあーちゃんが大好きっ!』
私の事を〝あーちゃん〟って言う明は、本当に可愛かった。
従兄の恋は許される。
『結婚すればいいのにねぇ』
いつしかお母さんの言った言葉。