あなたがいたから、幸せでした。
本当に明はよく頑張ったな、と思う。
結局実らなかった恋だったけど、
私にはその努力とかがすごいと思ったんだ。
それから数週間して、明が家に訪ねてきた。
『どうしたの?
何かあった・・・?ほら、上がってちょうだい。』
私がそう言ってやると、明は
うん、と家の中に入った。
『なぁ、俺どうすればよかったんだ?』
私の部屋に入れてから早々、明はそう口にした。
『もしかして、告ったの!?』
私はどうなったんだろう、と思って明の言葉に耳を傾けた。
『フラれた。
〝ごめんね、私あの人が好きだから〟
って言われた。
もう最悪だ。俺、何でここにいるんだろう。』
『そっか。
ってか、私が部屋に入れたのよ?
覚えてない?』
『いや、分かってるけど・・・っ、
何でもないよ。気にすんな。』