あなたがいたから、幸せでした。


明は、間違いなく私の従兄で。

明が、身内が。

亡くなっていく怖さを知った。

私は恨んだ。

明をフった子を。


恨んでも恨んでも、物足りなくて。



その子が〝死んじゃえばいい〟と何度思ったことか。


明は、たった15年にも満ちぬ人生で、

この世から去ってしまった。


ねぇ、明?

恨んでるでしょ、彼女を。


お葬式の時、たまたま出会った明の親友。

その子は、たくさん泣いて。

泣いて

泣いて

泣いた


顔はもうクシャクシャで、

正直彼女の事を聞くのが怖かった。


でも。

私は明のためならいいと思えた。


私が恨みを晴らすから、と。



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