あなたがいたから、幸せでした。
そして私がその男の子にその女の子の事を聞いた。
『あの・・・、こんな所で悪いんだけど、
明さ、誰かに告らなかった?
知らなかったらいいんだけれど・・・』
『あ・・・、明の従妹(いとこ)ですよね。
明が誰かに告白?あいつそんな事してたんだ。
明の〝好きだった子〟なら分かるんですけど、
それが何か・・・?』
泣き止んでいるように見えるけど、
まだ少し泣きたそうな雰囲気だった。
『えっと、明の事全然知んないな、って改めて思ったから。
せめて好きだった子の事くらい、知ってあげていないとって思ったから・・・
だから。おかしい、かな?』
明のこと知らない?
そんなのウソ。
明の事なら知りつくしてる。
好きだった子の事が分かんなかっただけ。
『あ、そういう事ですか。
明が好きだった子は、
富山優夏
っていう子です。』