あなたがいたから、幸せでした。


そう、沙奈恵と凛は誰よりも強く反対していた。



あたしにそんなことできない



と、言われた。

でも、私が明の事を話したら、しょうがないな、と言ってやると言ってくれた。


「もう謝る必要なんてないって。

あたし達だって今では普通になってきたんだから。」


本当にごめんね。

私のせいだから。

許して、と簡単には言えなくて。

ただ、ごめんしか出てこないよ。


「あのさ、さっきの間に考えたんだけど」


急に麻菜が話し出して、辺りはシーンと静まる。


「あたし達は、お金を要求して、

あいつに暴力を与え続けるの。

そこに亜美が来て、〝やめてあげてよっ〟って言う。

あたし達はすきができたフリをするから、そこであいつを連れて走る。

屋上に向かって走るんだよ?

で、屋上で亜美が感情的になる。

〝死んで〟って言って、おしまい。

あ、これは朝じゃないとできないよ?

あたし達があいつを亜美が来る前にイジメてないと、

亜美はずっとその光景を見てて止めていない事になるから。」




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