あなたがいたから、幸せでした。
きっとお父さんは、
悪かったとも言ってくれない。
「優夏、雅、夕子(ゆうこ)・・・
今まで悪かった。ごめんな。」
お父さんの久しぶりに聞く第一声は、
私の心に重くのしかかった。
じんわりと、温かい声だった。
夕子とはお母さんの事。
本当に今さらだと思う。
でも、私が思っていたよりもずっと。
ずっとお父さんはイイ人になったみたい。
もちろんあの事は、私も悪かった。
「お父さん・・・。
私こそごめんなさい。
お父さん達の事も考えずに、本当に。」
「優夏、お前は悪くないんだよ。」
お父さんの言ったその言葉に、
私は思わず身を乗り出す。